1、鮎の塩焼き
苔を食むために突き出した下あご、縄張り争いを勝ち抜くためにピンと張ったヒレと締まった魚体。これぞ天然鮎の塩焼き。ヒレに飾り塩をして焼いただけなのにこれが旨い。
かぶりつくとパリッと身がはがれ、苔の香りが漂う。そこでビールをグビッ。旨い。
ただし、新鮮な鮎と上手な焼き手がいなければこの鮎のようにはならない。
2、弁慶
これが魔法の鮎焼き器、名前を茨城県大子町では「弁慶」という。義経をかばい仁王立ちした弁慶に矢が突き刺さった様を連想させるからか。
真ん中に炭火、この周りに鮎を立てて焼く。焼くときは全体に熱がまわるようにこの上に蓋をする。
3、鮎焼き名人
この人が大子町の鮎焼き名人斉藤さん。ご主人の跡をついで鮎焼きになった。
旨い鮎を焼く秘訣は、中骨に串を通し脂が落ちるようにすることだとか。
頃合に焼けた鮎を斉藤さんが取ってくれる。わたしは弁慶の隣に座って久慈川の鮎釣りを見ながらビールを飲んで待つだけ。幸せ。