1、手打ち蕎麦夢屋
元、京都太秦(うずまさ)撮影所でカメラマンをやっていた方が始めた自家栽培自家製粉の超こだわり蕎麦屋。
この店は、最近ブログで知り合った奈良の南都銀行の広報担当の鉄田さんに教えていただいた。店主の楠木さんとは初めてお会いしたのだが、業界のことや、蕎麦屋のことや昔話に花が咲いて30、40分も話し込んだ。楽しかった。
1-1盛り蕎麦
まずは盛り。しっかりした更科に辛めのつゆがいい。まだ新そばではないということだったが香りが良い。
1-2おろし蕎麦
こっちは引きぐるみ、たっぷりの辛味大根と刻みネギで。わたしはこの食べ方が大好き。こっちも香りが良くて旨い。
マリアージュワインは、すっきりした酒。
2、すし豊
わたしが30年以上通い続ける「大阪の江戸前寿司」阿倍野区王子町のすし豊。寿司はすべて仕事がしてあり、むらさき(醤油)は一切出てこない。今回の大阪行きはここの寿司が急に食いたくなったから。
東京銀座の名店新富寿司の修行が辛くて1970年、大阪万博見物を理由に仲間と一緒に脱走。それ以来大阪で江戸前寿司を握ることに。名前は安田豊次、だからすし豊。
ここのイカを食うと寿司のイメージが変わる。最近は息子が隣で握るようになり、ますますその「仕事」に磨きが掛かってきた。通しで最後まで食ったが、まだ食える。
江戸前握りの伝統と難波の食いしん坊に鍛えられ洗練されたハイブリット寿司がすし豊の寿司だ。
2-1烏賊
塩で食うイカ。下に黒ゴマを敷き、イカに塩を塗りスダチを軽くしぼって食う。カルチャーショック。旨い。これを食うために大阪まで行った。イカはスミイカ。(イカだけ1貫しかないのはネタが無かったからではなく、あせって食ってしまってから気づいて撮影したためです。念のため)
2-2平目
軽く塩をぬり、紅葉おろしとポン酢味が付いた浅葱を乗せて。いいですねー。
2-3漬け鮪
直前に軽く酒、醤油、味醂に漬けるのがマグロの漬け。シャリと馴染んでこれもいいです。
2-4小肌
コハダはコノシロのことで、昔、悪代官に娘をせがまれた庄屋が、娘が死んだことにして子の代わりに(子の代)この魚を燃やした。焼くと人間を焼いた臭いがするという。
だが、軽く酢でしめたコハダを口に放り込めば、あー旨い。新子のときの2枚付けサイズがやっぱり一番だが。
2-5子持ち蝦蛄
蒸したシャコを一晩煮切りに漬けたもの。詰めを付けて出てくる。なかなかこくがあっていい。
2-6勘八
軽くあぶって塩をぬり、スダチを軽くしぼり紅葉おろしとをポン酢味の浅葱を乗せて出てくる。濃い味の後はさっぱり味と考えてくれている。
2-7鱧
落とし(湯引きのこと。お湯に落とすことから)ハモに梅肉、山葵、木の芽を乗せて。くー、これはいいですね。最後のハモにめぐり会った。
2-8皮剥
身、身皮湯引き、肝湯引きの三点を盛り付けた見事な軍艦巻き。これはやっぱりポン酢味。かわはぎは、おろす時、皮を剥ぐことからこう呼ぶ。
2-9貝柱
貝柱を軽くあぶって塩味で。トッピングには白胡麻。
2-10鯖の昆布〆
軽く酢と塩で〆たサバに酒と塩で煮た昆布を巻いて。昆布の旨みとサバの旨みのハーモニー。
2-11煮貝
鮑を柔らかく酒と醤油で煮てある。これが絶品。詰めを付けて。江戸前の真骨頂。硬い生の鮑を鮨で食うのは愚の骨頂。
2-12いくら
いくらの軍艦巻き。いくらは酒、塩に漬けてある。
2-13穴子
軽くあぶった煮穴子。塩をぬって出てくる。これがフワフワに焼けていて、う、旨い。
2-14槍烏賊の印籠詰め
槍烏賊を蒸して、中にシャリを詰め込んである。3つに切ってあるのは、それぞれ中に入っているものが違うため。耳の部分に卵、真ん中に白子、手前がシャリ。詰めを塗って。
2-15子持ち芝海老
こちらは子持ちの芝海老を蒸したもの。背中にたっぷり卵が入っている。
2-16紅白蕪
〆は軽く塩と酢でしめた紅白の蕪。あっさり、はんなり、おいしゅうございました。(わたしはいつも干瓢巻で〆ていたのだが、あんまり旨かったので不覚にも食い忘れた)
マリアージュワインは、ぬる燗の酒。