Wednesday 24 December 2008

今日のメニュー #15-2

4、フレンチターキーのロティ









ターキーに、塩、黒胡椒、好みのハーブを摺りこんで冷蔵庫で一晩寝かす。 一晩寝かせたターキーをオリーブオイルでマッサージしてもう一晩冷蔵庫で寝かす。 シャンブレしたターキーの腹に詰め物をして、両足をタコ糸で縛り上げ(結構サディスティックな気分になる)アルミホイルで全体をくるんで160度、120分オーブンで焼く(フレンチターキーは2キロ程度なので2時間でOK)。 焼き終わったら一旦オーブンから取り出し、冷ます。と、同時にジュ(受け皿に溜まった肉汁)を小鍋に空け、ポルト、生クリームを加えグレイビーを作る。肉と詰め物から出たエキスが凝縮されていて、実に旨いソースになる。 食べる前にもう一度、アルミホイルを外して160度、30分ほど時々グレイビーを掛けながらグリルしてきれいな焼き色をつける。 


 







背骨に沿って包丁を入れるときれいに真っ二つになる。詰め物もきっちり納まっている。 詰め物は、何でもOK。今回は、以下のものをオリーブオイルで炒めて詰め込んだ。 ローリエ3枚、セロリ・たまねぎ・シイタケ・生ソーセージ・ターキーの内臓・白ワイン漬け乾燥イチジクの刻んだもの、ナツメグ、シナモン、クミンシード、ディルシード、松の実、タイム、ローズマリー、バジル、イタリア米、塩、黒胡椒。後で取り出して付け合せに使う。


 







関節に包丁を入れるとレッグもウィングも簡単に外せる。レッグは締まって旨いし、ウィングは適度に脂気があって旨い。アメリカンターキーがパサパサなのにこれはしっとりして、丁度鴨とチキンの間のような味わい。 付け合せは、カリフラワー、シャトー切りしたニンジン、グリーンアスパラを軽く茹でて灰汁抜きし、白ワインと塩で茹でたもの、クレソン。ソースは、当然グレイビー。 マリアージュワインは、ブルゴーニュの赤、ボルドーの白どちらでも。
 



 5、ガトー・オ・ショコラの黒トリュフチョコレート乗せチョコレートアイスクリーム添え

 







長い名前のデセールになったが伊達ではない。これは本当に旨かった。(笑) チョコレート400グラムを溶かし、バター、ラム、チョコレート生クリーム、シナモン、ホールウィートの小麦粉、ベイキングパウダー少々、卵1個、ポルトを加えよくかき混ぜて180度、30分オーブンで焼く。 焼き終えたら、チョコレート100グラムにラム、白ワインを加えて溶かして上塗りし、トッピングに黒トリュフチョコレート。(トリュフという名前のチョコレートはあるが、イタリア製のこのチョコレート、トリュフたっぷりで本当に旨い) で、最後にココアパウダーを振り掛けた。雪に見えるかと思ったけれど、ココアだな。(笑) 


    







ハーゲンダッツのクラシックチョコレートアイスを添えて。そしてその上から、もう1度ココアパウダーをこれでもかと振り掛けた。 チョコチョコチョコである。こういうくどいサーブの仕方もたまにはいい。 マリアージュワインは、ポルト、なんていかがでしょう? 


 







料理とワインには相性があって、組み合わせによってはマリアージュ(結婚)もあるしディボース(離婚)もある。(笑) それを知ってほしくて、3年間ほど店をやっていたことがある。→詳細はこちら もう料理もワインも飽きたと思っていたけれど、美味しいと言ってくれるひとがいるのでもう少し続けることになりそうである。 

Sunday 21 December 2008

今日のメニュー #15-1

1、スモークド・アトランティック・サーモンのサラダ 









世界一旨いスモークド・サーモンは、スコティッシュ・サーモンといわれている。スコットランドのサーモンである。 スコットランドのサーモンは、アトランティック・サーモン(大西洋鮭)であり、パシフィック・サーモン(太平洋鮭)と違って一度の産卵で死なないという特長を持っている。→詳細はこちら さて、素材が旨いものは手を掛けないというのが鉄則。真ん中にサーモンを置いて、ベビーリーフを散らし、ケイパーを散らし、バルサミコとオリーブオイルとポルトでソースを作って回しがけしておしまい。最後に、ライムを軽く搾って。 マリアージュワインは、白、やっぱりシャルドネ。シャンパン。 



2、ビスク・ド・オマール

  
















イセエビをローリエを1、2枚入れたフュメ・ド・ポアソンと白ワインで煮込み、ミキサーに掛けシノアする。これにトマト、ニンニク、サフラン、ポルト、塩、黒胡椒、ミルク、生クリームを加え再びミキサーに掛け、煮詰めてビスクを作る。 飾り用に取っておいたイセエビの身をいれ、イセエビの頭とローズマリーを飾り、ジェノベーゼにバターを加えたソース(もちろん生クリームでもいい)を垂らす。 パン・ド・セーグルとの相性が抜群。これだけで腹一杯になるので注意が必要。 マリアージュワインは、軽い赤。ま、ピノでいいんじゃ。ラングドック地方の料理だから、グルナッシュも合う。 



3、カスレ・ド・トゥールーズ

   







 カスレは、ビストロの定番メニューで、庶民の日常のフランス料理である。これと、パンと、赤のヴァン・ド・ターブル(テーブル・ワイン)で薄暗いビストロの片隅で敗れた恋に思いを馳せる・・。(?) 白いんげん豆を一晩水に浸す。これを塩、黒胡椒、好みのハーブ、ニンニク、ローリエ、鶏がらスープ、ポルト、白ワインを加えたフォン・ド・ヴォーに艶出し用の豚足を入れて5~6時間煮込む。 出来上がった白いんげん豆煮込みとコンフィ・ド・カナールを豆、肉、豆、肉、豆とミルフィーユにして(わたしの鰻丼の食い方と同じだ)カソール(これは売ってないのでテラコッタの鍋で代用)に入れてオーブンで160度、45分焼く。(コンフィについては「今日のメニュー#13」に詳しいのでそちらをご覧ください) ルックスは今一だが、見えないところに実に手間隙掛けた料理である、というところがフランスのエスプリである。(洋服で言うと、アウターよりもインナーに凝るというセンスに通じる、大人だな) マリアージュワインは、ミディアムボディの赤。ピノのいいヴィンテージのもの。もしくは、グルナッシュ。 

Sunday 14 December 2008

今日のメニュー #14-2

4、シェパーズ・パイ









羊飼いのパイである。本当はラム・ミンチで作るのだが、今回は牛ミンチで作った。 ミンチにナツメグ、クミン・シード、塩、黒胡椒、オリーブオイル、バター、卵1個を入れてよく捏ねる。 この上にバター、塩で味を付けたマッシュド・ポテトを被せ、オーブンで180度30分焼くだけ。 ミンチが少なくて薄くなってしまったので2つ重ねて盛り付けた。 マリアージュワインは、軽い赤、シェリー、ボルドーの白。 



5、プラム・ケーキ

   







ホールでケーキが食いたい、と突然思い立ったことはありませんか? たまたまラムに漬けておいたプラムがあったのを思い出したので、これをトッピングすることに。 クリームチーズ、バターをチンして溶かし、生クリームにミルク、シナモン、漬け汁のラム、卵1個をミキサーしたものを加えよく混ぜる。 そこに小麦粉とベーキング・パウダー少々を加え、プラムをトッピングしてオーブンで180度30分焼くだけ。 所要時間たったの40分で好みのケーキが焼き上がる。これぞ賄いの極地。 マリアージュワインは、ラム。

今日のメニュー #14-1

再び賄い編。あれは賄いじゃない、贅沢すぎるという投書が来ましたので、今回は賄いらしい賄いです。(笑) 


1、うどん

   







冷凍してある3食1パックのうどんを鍋でそのまま茹で、同時に小鍋で出汁を作る。 出汁は、小鍋に水を入れ、塩一つまみと白だし、酒、みりん少々を加えるだけ。 うどんが戻ったら小鍋に移しちょい煮込む。このとき、卵を落としてもいい。梅肉を入れてもいいし、甘く煮た揚げを入れてもいいし、牛肉を入れてもいい。 そのまま丼に空け、とろろ昆布、三つ葉、冷凍してある柚子皮を乗せれば関西風うどんの出来上がり。 一味唐辛子か粉山椒を掛けて食べる。 マリアージュワインは、酒、シェリー。(意外と旨い) 



2、ラーメン

   







ラーメンというと一家言ある方が多い。 わたしの場合、行き着いたのが「マルタイラーメン」という1袋2食入りの乾麺の棒ラーメン。 麺を茹でながら、ラーメンの袋に付いている粉末スープと胡麻油に鶏がらスープ、チャーシューのタレ、紹興酒を加え小鍋でスープを作る。 スープを丼に移し、麺を入れ、チャーシューと香菜をトッピングし、白胡椒を振りかけて食べる。好みで、柚子胡椒もいい。 マリアージュワインは、紹興酒。軽い赤でもいい。 



3、ソース焼きそば









冷凍してある1袋3食入りの焼きそばをシャンブレ(常温=18度に戻す)してよく水洗いしてザルに取る。 もやし1袋分を軽く水洗いし、これもザルに取る。 しゃぶしゃぶ用の豚をたっぷりのオリーブオイルと胡麻油で炒める。 焼きそばを入れ、軽く炒めてからもやし、茹でキャベツを入れてクレイジーソルトを振り掛けよく炒める。 ウスターソース(わたしは、リー&ペリンズが好み)と醤油少々、紹興酒少々を加え、もやしに火が通るまで炒めて白胡椒を多めに振りかけて出来上がり。 トッピングは香菜。 マリアージュワインは、ビール、紹興酒のソーダ割り。

Sunday 30 November 2008

今日のメニュー #13-2

4、コンフィ・ド・カナール・シャランデ4









鴨を鍋からあげて脂の温度を上げフリットを作る。鴨脂で揚げたフリットは格別の味わい。 ジャガイモのフライをイギリスではフライド・ポテトというが、イギリスでいうフレンチ・ポテトとはこのフリットのことである。 



5、コンフィ・ド・カナール・シャランデ5

   







これが、パリマッチの撮影で一緒だったフランス人3人がTROP BON!(超旨!)と言ってむしゃぶりついたコンフィ。 付け合せはフリット、白ワインと塩に漬けた茹でキャベツ、洋ナシのコンフィ。(果物を砂糖漬けにしたものもコンフィ。ブランディー、白ワイン、蜂蜜に漬けた) ソースなしで、粒マスタードで食うといいのでは。 マリアージュワインは、ブルゴーニュの赤。やっぱりこれはピノでしょう。

今日のメニュー #13-1

1、コンフィ・ド・カナール・シャランデ1









鴨をシャンブレ(常温=18度にする)して塩、黒胡椒、好みのハーブをまぶして中までしみ込むまで数時間放置。 身が赤いのは、エトフェ(窒息)させて、血を体内に留めて美味しくするため。要は、鬱血しているため。チアノーゼ反応である。 ナント県シャラン地方の鴨がより旨くなるのはこの処理法のせい。旨いものを食うためには何も厭わない。 



2、コンフィ・ド・カナール・シャランデ2

   







塩、黒胡椒がしみ込んだら、鴨脂で煮る。コンフィは、共煮である。豚ならラード、牛ならヘットで煮る。温度は60度くらいの低温で気長に。 



3、コンフィ・ド・カナール・シャランデ3

   







3時間ほど煮るとこんがり狐色になってくる。食べるときには、皮の方をグリルしてパリッとさせてから盛り付けるので、焼き色に気をつける。焦げてしまっても火が通り過ぎることもないし味に変わりはない。鴨脂がしみて、むしろしっとりしてくる。 これを脂に漬けたまま保存しておく。豆と煮込んでカスレにしても旨い。素朴にして味わい深い。

Saturday 29 November 2008

今日のメニュー #12-2

5、牛モツのトマト煮込み









ローリエを入れ、塩、黒胡椒、好みのハーブを加えイタリアトマトと安物の赤ワインで牛モツをグツグツ煮込むだけ。 仕上げに、ポルト酒。パン・ド・セーグルと食べれば一食になる。 マリアージュワインは、ボルドー系、イタリア系の赤。 



6、牛丼

   







湯通しした切り落としの牛肉とよく洗った糸こんにゃくを多目の水に塩、シナモン、白だしを入れて煮る。 これを飯の上に掛けて卵の黄身だけを真ん中に落とす。好みで粉山椒。 残ったら醤油と酒、みりんを加えて煮詰めておくと何もないときのつまみになる。 マリアージュワインは、ブルゴーニュの白。 



7、鰻丼

   







真空パックの鰻(といってもせめて国産鰻)をチン、冷凍にしておいた飯もチン。 茶碗の底に鰻を半分置き、その上に飯を半分乗せ、その上に残った鰻を乗せおまけのタレを掛け、またその上に残った飯をかぶせミルフィーユにする。 わたしは鰻が見えない関西式のまむし(鰻に飯をまぶすこと)が宝探しのようで面白いと思う。 トッピングに三つ葉、粉山椒。おまけについていた吸い物にも三つ葉。 マリアージュワインは、軽い赤。